お風呂上りに肌がかゆくなってしまう、という方は結構たくさんいらっしゃるようです。かゆみが強いと眠れなくなり、ストレスがたまるし、睡眠不足で日常生活に支障が出てしまいますよね。
水道水に含まれる残留塩素や、洗浄力が強すぎるボディソープの使用により、肌が乾燥します。乾燥によって肌のバリア機能が低下すると、かゆみが生じやすくなります。そこで、洗浄力がマイルドなボディソープの使用や、塩素を除去する浄水シャワー、マイクロナノバブルが発生するシャワーヘッドの使用をおすすめします。
【目次】
かゆみが発生するメカニズム
皮膚の表皮と真皮の境界線近くに、痒みを伝える神経「C-線維」の末端部分があります。皮膚の表面が外界から刺激を受けたり、身体の中で生じたアレルギー反応によってかゆみを起こす物質が放出されたりすると、神経線維の末端部分がこれらの刺激を受け取って、その情報を脳に伝え、脳が「かゆみ」として認識します。
掻くと気持ちが良いし、ひりひりするまで掻きむしると、一時的にかゆみから逃れることができますよね。 しかし強く掻くと皮膚のバリア機能が低下し、身体の中から水分が外に逃げてしまって乾燥肌となります。バリア機能の弱まった皮膚からはアレルギー反応を引き起こすアレルゲンなどが体内に入りやすく、ちょっとした刺激によってもかゆみ神経を刺激するようになるため、ますますかゆくなります。
また、かゆいところを掻いてしまうと、皮膚に存在する細胞から炎症を促す物質や、かゆみの神経にはたらく物質が放出されて、皮膚炎がさらに悪化し、かゆみも強くなります。
最近の研究では、皮膚のバリア機能が破壊されると、かゆみを伝える神経「C-線維」が、表皮のほうへ上がってきてしまうということも判明しています。神経が表皮の近くまで伸びてくると、小さな刺激にも過敏に反応して、かゆみを感じやすくなってしまいます。
お風呂上りにかゆくなるのはなぜ?
顔や体を洗うと、皮脂などが落とされ、肌表面のバリア機能が低下するため、かゆみを感じやすくなります。シャンプーやボディソープなどに、肌に合わない成分が入っている可能性もあるので、一度確認した方が良いかもしれません。
シャンプーやボディソープなどのすすぎ残しがあると、肌に刺激を与え、かゆみを誘発する可能性があるため、注意しましょう。特に、髪のトリートメントに入っている陽イオン界面活性剤は皮膚刺激が強く、しかもトリートメントは肌に吸着しやすいので、よく洗い流すようにしましょう。
体が温まると、かゆみを伝える神経の活動が高くなることがわかっています。そのためお風呂上りや夏の暑い日などは、かゆみを強く感じやすくなります。また、寝る前は体内の熱を放散するために、皮膚表面の血流が増えます。その結果、皮膚表面の温度が上がり、かゆみが強くなります。
かゆみが我慢できなくなった時は、冷やすことで対処しましょう。冷房を適宜使用する、かゆい部分にアイスノンを当てるなどすれば、かゆみが軽減します。
化学繊維の下着などチクチクする素材の服を着ると、それが刺激になりかゆみを感じる場合があります。そのような場合は、綿の下着やパジャマに変えるなどの工夫が必要です。
また小児や女性に多く見られますが、髪の毛が肌に当たることが刺激になり、かゆみを感じることがあります。髪の毛をまとめたり、ピンで止めたりすることで皮膚との接触を少なくすると、かゆみが減少する場合があります。
かゆみの原因は乾燥|残留塩素とボディソープの洗浄力に注意
かゆみの原因で最も多いのが、乾燥によるものです。
肌は皮脂と汗で構成される皮脂膜で覆われています。さらに肌の最も外側にある角層は、その細胞内に天然保湿因子(NMF)、細胞の間には細胞間脂質(セラミドなど)があり、これらが異物の侵入や水分の蒸発を防ぐバリア機能を担っています。そのため肌から水分や油分が奪われると肌のバリア機能が低下し、少しの刺激にも敏感に反応して、かゆみを生じやすくなります。
冬場など乾燥した気候や過度な入浴、体の洗い過ぎなどが乾燥肌の原因となります。また、高齢者やアトピー性皮膚炎の人は乾燥肌になりやすいです。
日常生活で気を付けたいのは、水道水の残留塩素です。
人間の皮膚の表面は弱酸性の皮脂膜により潤いが保たれていますが、残留塩素を含む水はタンパク質を融解するアルカリ性です。 アルカリ性の残留塩素により皮膚表面のバリア機能が破壊されると、肌が乾燥しやすくなってしまいます。
また、洗浄力が強いボディソープの使用は、肌のバリア機能を低下させる原因なので、洗浄力がマイルドなものに変えることをおすすめします。
ボディソープの洗浄力を少しづつ落とそう
保湿ケアというと、保湿力の高い化粧水などを使えば良いと思われるかもしれません。しかし、ほんとうに見直すべきなのは、保湿剤より洗浄成分です。
人の肌は、自動的に天然の保湿成分を分泌して、適度に保湿された状態を維持するようにできています。それにもかかわらず、保湿剤を塗っても乾燥してしまうということは、普段から使用しているボディーソープの洗浄力が強すぎて、肌に必要な皮脂や保湿成分まで洗い流してしまっているというケースが考えられます。
適切な洗浄力でやさしく洗浄することができれば、肌本来の保湿成分を十分に残すことができるため、乾燥しにくくなります。すると化粧水などの保湿剤も、高額なものをいくつも買わずに済みますし、不要な成分と肌が触れる機会を減らすことができます。
ただし、洗浄力が低下しすぎると、汚れや皮脂などが残ってしまい、かえって肌荒れする可能性があるため、洗浄力の調節は慎重に行いましょう。体を洗いすぎると、皮膚は刺激から身を守ろうとして角質を厚くします。また、失われた皮脂を補うため、皮脂をたくさん分泌します。ボディソープを洗浄力の低いものに変えても、角質(垢)や皮脂が多い体質はすぐには変わらないので、洗浄力が不足してしまいます。そのため、ボディソープの洗浄力は徐々に落としていく必要があります。
市販のボディソープは主成分に「石けん」や「ラウレス硫酸系」の洗浄成分が使われているものが多いです。これらはとても洗浄力が高く、敏感肌や乾燥肌の人は特に乾燥しやすくなります。また、洗い流してもしっとりするボディーソープの中には、陽イオン界面活性剤系統の成分で質感をごまかしている場合があります。陽イオン界面活性剤はとても皮膚刺激が強いため、極力使用を控えましょう。
ボディソープは、まず「カルボン酸系」の成分がベースの物に変えましょう。「酸性石鹸」とも呼ばれるもので、肌に優しい弱酸性ながら、石鹸のようにさっぱりとした洗い心地です。これに慣れたら、(好みに応じて)より洗浄力が優しい「アミノ酸系」に変えても大丈夫です。
カルボン酸系に変えてニキビなどができてしまう場合は、洗浄力が不足している可能性があるので、今まで使っていたボディソープと1日おきに交代で使って体を慣らしていきましょう。
成分表示に以下のような言葉が書かれているかどうかをチェックすれば、おおむねカルボン酸系とアミノ酸系を見分けることができます。
カルボン酸系洗浄成分の見分け方
ラウレス+(4・5・6のいずれかの数字)+カルボン酸Na
ラウレス+(4・5・6のいずれかの数字)+酢酸Na
アミノ酸系洗浄成分の見分け方
「ラウロイル」または「ココイル」+メチルアラニン/グルタミン酸/アスパラギン酸のどれか
体を洗うときは、素手で洗うのが一番良いです。ボディソープを良く泡立てて、手で撫でるように優しく洗いましょう。手で洗うことに抵抗がある人は、綿やウール、シルクといった、柔らかくて肌に優しい素材のタオルを使用しましょう。
ボディソープの洗浄力を段階的に落とす方法
- ボディソープを「カルボン酸系」に変える。
- タオルの使用を止め、素手で洗う。(または、タオルを優しい素材の物に変える)
- ボディソープを「アミノ酸系」に変える(皮脂の多い人などは「カルボン酸系」のままが良い)
- 皮脂や汗の多い部分、毛の生えている部分だけボディソープを使用する。(脇の下や背中、胸、股間、足の裏、肘と膝の内側など)ただし、湯船に入らない場合はある程度ボディソープを使用した方が良い。
※1と2は順番を入れ替えてもOK
カルボン酸系の例:語尾に「〇〇カルボン酸Na」「〇〇酢酸Na」とつくもの
アミノ酸系の例:語尾に「〇〇アラニンNa」「〇〇グルタミン酸Na」とつくもの
浄水シャワーとマイクロナノバブルでお風呂上がりのかゆみを改善
先にも述べたように、水道水に含まれる残留塩素は肌のバリア機能を低下させるため、これを除去できる浄水シャワーがおすすめです。
また、マイクロナノバブルが発生するシャワーヘッドがおすすめです。マイクロナノバブルは、非常に小さな気泡を利用して、肌の保湿効果を高める技術です。これらの気泡は毛穴よりも小さく、汚れや皮脂を取り除きながら肌の奥深くまで浸透することで、保湿効果を発揮します。
浄水機能がついたマイクロナノバブルシャワーヘッド「バブリージョワー2.0」
人気のマイクロナノバブルシャワーに、塩素を除去する機能をプラス。活性炭と不織布のフィルターで水をろ過し、ゴミやニオイの原因物質まで取り除きます。ミスト水流機能も搭載しており、美容シャワーヘッドにほしい機能がこれ1本にすべてつまっています。
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弊社は弊社は岐阜県山県市にある水栓メーカーです。 商品のことや、その他気になることがあればお気軽にご連絡ください。
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電話番号:0581-23-0570(平日9:00~17:00) メールアドレス:information@mizsei.co.jp
参考
アトピー性皮膚炎のかゆみの原因と「自宅でできる対処法」について、医学的根拠に基づき専門医が解説|ここクリニック皮フ科アレルギー科 (koko-clinic.com)
【環境医学研究所】かゆみと真剣勝負、かゆみの克服を目指して 順天堂大学大学院医学研究科 (juntendo.ac.jp)
かずのすけ『大人のための美肌図鑑』株式会社ワニブックス 2017年